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1月12日
其ノ弐拾壱、呪
「…く…、何処だ、ここは…ッ」 怪異に捕まった伊丹を追い、共に亜空間へと引きずり込まれた幻洛。 気がつくと、そこは現実とは思えないほど暗黒に包まれた世界が広がっていた。 周囲には、アヤカシのような亡骸が無惨な姿で多数転がっていた。 「ッ…」...
1月11日
其ノ弐拾弐、神
ここは、何処だろうか 身に纏うものもなく、白く、何もない世界 俺は、死んだ、のか 貫かれた喉元には、あの傷の代わりのように、一輪の大きな花が咲いていた ふと目の前を向くと、自分と同じように、何も身に纏っていない伊丹の姿があった...
1月10日
其ノ弐拾参、新
「ん…」 眩く差し込む光に、伊丹は重い瞼を開けた。 清々しいほど澄んだ青い空。 心地よく吹き付ける風。 見覚えのある風景。 「助かっ…た…?」 あの亜空間から脱出し、万華鏡村へ帰ってこれたのだ。 「ぐ、…ッ」 「…!幻洛さん…!!」...
1月9日
其ノ弐拾肆、完
「龍神だと…?」 事の翌日、幻洛は紺桔梗色の髪を靡かせながら、万華鏡神社の濡れ縁に座り、美しい境内を眺めていた。 ボロボロになった服を改め、一部に白銀の糸を織り交ぜた煌めく衣装に新調されていた。 「ええ、幻洛さんの身体の半分は覚、もう半分は送り狼と、…その龍神のようです。」...
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