伊丹を樹海から連れ戻した日の夜、幻洛は伊丹の自室に居た。
「…。」
「…。」
時は子の刻。
二人は浴衣に着替え、幻洛は胡座で、伊丹は正座で、布団の上に座り向かい合っていた。
伊丹は普段一つに結っている柳緑色の髪を下ろしていた。
初めて見るその艶めかしい姿に、幻洛はごくりと喉を鳴らした。
「伊丹も神社の仕事があるからな、あまり長々と話し込まないようにする。」
改めて、幻洛は今回の件について話を伺う。
「その呪いは、生まれた時からなのか?」
「…おそらく。物心がついた時は、まだこれほど症状は現れていませんでした。…ただ、生まれ持った霊力のこともあり、周囲とは少し違う違和感はありました。」
霊力は普通、学び、身につけていくもの。
それを生まれながらに、これ程まで強い力を持っていたことは今まで例になかったことだ。
「時が経つにつれて、身体中に痣が現れるようになったんです。次第に、死者の魂が見えるようになったり、亡き者の聲が聞こえるようになったり…と。漸く、自分は徐々にあちら側の世界に取り込まれているんだと、気付かされました。」
伊丹は浴衣の袖をめくり、腕に巻かれた包帯を晒した。
「それで、少しでも呪いの進行を抑える為、この包帯を痣のある箇所に巻き始めたんです。…虚しくも、呪いの進行は完全には抑えられていませんが…。」
伊丹の表情が暗く陰る。
「…その呪いの痣、少し見せてもうことは出来るか?」
おもむろに、幻洛は口を開く。
伊丹と出会った時から、彼は身体中に包帯を巻いていた。
当時は、単純に大怪我をしたからだと幻洛は思っていた。
しかし、いくら時が経っても、その包帯が解かれることがない日々に長年疑問を抱いていたのだ。
その呪いというものが一体どのような状態で伊丹の身体を蝕んでいるのか、幻洛は気になっていた。
伊丹は潔く承諾し、片腕に巻かれた包帯をスルリと外した。
「…。」
伊丹の細い腕をとり、幻洛は思わず顔をしかめた。
包帯を外したそこには、赤黒い痣が広がっていた。
そして更に侵食が進行しているであろう箇所は、青紫に変色していた。
これが、今もなお伊丹の身体を蝕み続けているのか。
「痛くはないか?」
「痛くはありませんが…、押さえつけられるような重さを感じます。」
”重い感じ…”
少しずつ、身体の感覚を奪っているということなのだろうか。
幻洛は警戒し、その痣には触れなかった。
「時が経つにつれ、この赤黒い範囲が広がっているんです。…ここも、以前はこれほど酷くなかったのに…。」
伊丹は険しい表情で、自身の呪いを見ていた。
「この場所に包帯を巻き始めたのはいつだ?」
「二年前くらい…になりますね。その頃はまだ、痣自体も薄くて微かなものでしたが…。」
約二年前に処置をし、この状態の痣。
案外、呪いの進行はそう早くはないのかもしれない。
しかし、完全に未知の世界の力ゆえ、いつ何時、どんなことがきっかけで何が起こるかわからない。
この進行速度も、幻洛は注視した。
幻洛の診断を終えた伊丹は、再び腕に包帯を巻きつけた。
「その右目は?」
「…!この右目だけは、絶対にダメです…!」
包帯で巻かれた右目を手で覆い隠し、伊丹は思わず顔を背けた。
「…一番初めに呪いの症状が出始めたのが、この右目なんです。この右目の呪いは、特に重くて…。」
伊丹は一呼吸置き、幻洛に顔を向けた。
「目が合った者を、失明させてしまうんです。物理的に目を潰すように。」
はっきりと、警告するような口調で伝えた。
つらつらと、伊丹は右目の事について話を続けた。
「まだ右目の呪いについて知らなかった、妖術を学んでいた頃、僕の右目の痣について、面白半分で尋ねてきた者を失明させてしまったんです。」
当時のことを思い出しながら、伊丹は自身の浴衣の裾を握った。
「その時は僕も、何故その者が突然失明したのか理解できませんでした。しかしそれからも、目の前を飛ぶ野鳥を見ていたら、突然叫びながら落鳥していったり、その様子を見ていた者たちにより、僕の右目の痣について疎ましがる噂が増え、ようやく、この右目の力について気付かされたんです。」
その目について、疎ましがる噂…。
幻洛は、過去、自分が鷹ノ目について周囲から毛嫌いされてきた辛い出来事を思い出した。
伊丹にも、自分と似た苦い過去があったのか、と。
「…もし、この右目で幻洛さんを失明させてしまったらと思うと、怖くて…。」
溜息をつきながら、伊丹は悲しそうに目を伏せた。
「そうか…。」
その右目について、伊丹も思うことは多々あるだろう。
幻洛は察し、これ以上深くは追求しなかった。
少しの間、沈黙が続いた。
「…幻洛さん。」
先に沈黙を破ったのは伊丹だった。
「幻洛さんは、いつから僕の呪いに感づいていたのですか…?」
あの樹海での出来事を踏まえ、今度は伊丹が話を伺う。
「ふゆはが、お前との鍛錬でボロボロになって戻ってきた頃だったか…。あの伊丹が、弟子から距離を置こうとしているように感じて、少し違和感を覚えていた。」
それまで伊丹は、ふゆはを我が子のように大切にしており、まるで本当の親子のように仲が良かったのだ。
幻洛は真剣な面持ちで話を続けた。
「だから俺は、屋敷の裏にある丘でお前と対話した日、あえてふゆはの名前を出し、お前の真実を知ろうとした。」
「…。」
ああ、あの日以前に薄々と感付かれていたのか…。
伊丹はそう思いながら、覚の考察力の強さを改めて感じ、関心した。
「…勝手に心を読んですまなかった…。」
唐突に、幻洛はあの日の出来事を詫びた。
胸の内に秘めておきたい事を勝手に知られて、伊丹は益々不快な日々を送っていたであろう。
幻洛はそのことをずっと気にしていた。
「そこで漸く、お前の呪いを知った。どうにかお前を救ってやれないかと、ずっと考えていた。」
幻洛は伊丹の白くて綺麗な片手を手にとった。
「先に言ったとおり、俺は伊丹と初めて出会った日から、お前に特別な感情を抱いていた。もう俺は、伊丹以外の者にこのような感情を向けられない。それくらい、お前の存在が大切なんだ。必ず、伊丹を呪いから解放すると決めたんだ。」
この気持ちだけは、簡単には諦められない。
そう訴えるように、幻洛の黄金に輝く熱い眼差しが伊丹に向けられる。
「…。」
改めて熱烈な告白をする幻洛に、伊丹は顔を赤くし、ぽかんとしていた。
今まで、伊丹は恋愛という意味合いで誰かに好かれた事など一切なかった。
そんな出来事が、まさか今この瞬間に訪れるなど、思ってもいなかった。
幻洛の言葉に、伊丹は嬉しくて仕方がなかった。
しかし、この湧き上がる感情を露わにすれば、はしたなく彼を求め続けてしまうだろう。
万華鏡神社の神主が、万華鏡村の陰陽師である者が、そんな行動をして良いはずがない。
そう思うと、伊丹はなかなか素直になれなかった。
「…伊丹は、本当に俺で良いのか?」
黙り込んでしまった伊丹に、今度は幻洛が尋ねた。
伊丹の思っていることなど、己の能力を使えば知ることは出来る。
しかし幻洛はあえて、伊丹の声で、その本心を聞きたかった。
「僕は…、」
伊丹は消え入りそうな声で呟いた。
浴衣姿で、その艶めく柳緑色の髪を下ろし、頬を赤らめ目を伏せる伊丹。
掛衿の間から、チラリと見える白い鎖骨。
掴んだ手を弱々しく握り返してくる白くて細くて綺麗な手。
そしてこの深夜帯、薄暗い部屋で、互いが布団の上にいる状況。
幻洛の本能が、静かにざわついた。
「…僕は、幻洛さんのことを心から大切に思っています。」
伊丹は自らの思いを絞り出すように言葉を続けた。
「ただ、呪いの件はもう手遅れなんだと、自暴自棄になっていました。それでも、僕を気にかけてくる幻洛さんをどうにか遠ざけたいが為に、あの過去の恐怖を見せつける術を使ってしまいました…。」
伊丹はそっと幻洛に視線を向けた。
「…僕の方こそ、本当にすみませんでした…。」
唐突に、伊丹もあの日の出来事を詫びた。
思い出したくもない過去の苦しい出来事を否応なしに見せつけて、どれだけ彼の心を踏みにじってしまったか。
伊丹はずっとそのことを気にしていた。
「あの術を使って、完全に幻洛さんに嫌われてしまった、全て終わってしまった、僕はなんて愚か者なのだろうかと、ずっと暗闇で絶望していました。…でも、どんな暗闇に落ちても、幻洛さんが光と共に僕を闇から救い出そうとする姿に、いつの間にか絶望する心も、全て貴方に奪われていました。」
伊丹は高ぶる気持ちを落ち着かせるように、軽く深呼吸した。
「なので、改めて言わせてください…。」
伊丹は頬を赤く染めながらも、しっかりと幻洛の方へ顔を向けた。
「幻洛さんは僕の唯一の希望です。…もう、僕には貴方しかいません。」
訴えるように、伊丹の深海色の左目が、恥じらいながらも幻洛に向けられる。
「ただ…、僕は今まで恋愛という意味で誰かに好かれたり、誰かを好きになった事など一切無かったので…。」
「…そうか。」
すなわち、それは全て幻洛が初めてになるということだった。
幻洛はふと疑問符を浮かべる。
…伊丹は恋愛をしたことがなかったのか。
その中性的で綺麗な顔立ちからすれば、彼に魅了された者も少なくはなさそうだが。
それとも、単純に伊丹自身が気づかなかっただけなのだろうか。
逆に、普通に生きていれば、俺以外の奴に伊丹が好意を向けるのも自然では…、…?
”普通”に生きていれば…?
いや、伊丹は生まれた時から”普通”ではなかった。
まさか…、これも呪いが関係しているのだろうか…?
流石に、これは考えすぎか…、と、幻洛はこれ以上察するのを止めておいた。
「俺を受け入れてくれて、ありがとう。」
幻洛はフッと、優しい笑顔を伊丹に向けた。
「…。」
幻洛の低姿勢な対応に、伊丹はふとした感情を抱いた。
…本当に、自己評価の低い方だ。
やはり、彼の過去経験してきた恐怖の出来事が、彼の心をここまで弱らせてしまったのだろうか…。
伊丹は心が締め付けられるような思いを感じていた。
「伊丹…。」
幻洛は掴んでいた伊丹の片手を解き放ち、そのまま彼の首筋に手を添えた。
そのままゆっくりと、幻洛は顔を近づけてくる。
「あっ…、待ってください…!」
咄嗟に、伊丹は幻洛の分厚い肩を軽く押さえ、それ以上の進行を弱々しく阻止した。
「その、僕はどうしたら…。」
首筋を押さえられながら、伊丹はこの先起こる出来事に、頬を染めながら困惑した。
「…口付け、できるか?」
幻洛は優しい声で、掴んだ首筋を撫で摩りながら伊丹に問いかけた。
その優しい感覚に、伊丹はビクッと肩を震わせる。
多分…、と伊丹は小さく答えながら、緊張の面持ちで幻洛の浴衣の裾を掴んだ。
「そのままでいろ。」
幻洛の低い声が、伊丹の顔の直ぐ側で囁かれる。
伊丹は緊張しつつ、近づく幻洛の整った顔に我慢できず、そのまま目を閉じた。
暗闇の中、唇に、柔らかいものが重ねられる。
初めて感じる不思議な感覚に、伊丹は思わず声を漏らし、身を捩らせた。
捩らせた腰に、幻洛の雄々しい手が、優しく押さえるように添えられる。
触れるだけの唇が、徐々に深いものになっていく。
「ん…っ…」
伊丹の身体の中で、呪いとは違った初めての感覚が疼いた。
もっと…幻洛さんが…ほしい…。
思考が…、全て幻洛さんに支配される…。
…幻洛さん、すき…、だいすき…。
伊丹は夢中で幻洛の肩に手を添えた。
ぬる…。
「…!」
突然、口の中に訪れた感覚に伊丹は我に返り、幻洛から顔を離した。
それが幻洛の舌だということを理解するまで、そう時間はかからなかった。
「っは…!な、何で…、舌、っ…!?」
「…。」
顔を赤く染めながら濃い口付けに動揺する伊丹を、幻洛は唖然とした表情で見ていた。
…まさか舌を入れただけで、これ程まで驚愕されるとは。
フッと幻洛な息を吐いた。
「相思相愛とわかれば、口付けで舌を奪うことなど自然なことだろう。」
「そ、そういうものなんですか…?」
じとりと、伊丹は幻洛へ半信半疑の視線を向ける。
口付けそのものが初めてだった伊丹は、困ったように溜息をついたまま目を伏せた。
「難しそうか?」
「…いえ、なんというか…、恥ずかしいというか、変な気分といいますか…。」
「焦らなくていい。俺も無理強いだけはしたくないからな。」
幻洛は、伊丹の狐耳や頬を優しい手つきで撫でた。
その逞しい手の感覚に、伊丹は夢心地のように目を細めた。
「呪いの件も、共に解決策を見つけていこう。伊丹が諦めても、俺は諦めないからな。」
「…はい。」
…執着心が強いというか、諦めの悪い人というか…。
それでも、そんな幻洛さんに、僕はとても惹かれているんだな…。
伊丹は狐耳や頬を撫でられながら、ぼんやりと思っていた。
「少し話し込みすぎたな…、寝るか。」
いそいそと、幻洛は布団に入る準備をする。
「…あの、何で僕の布団に入り込んでるんですか…。」
「あんなことがあったんだぞ、一人にするわけないだろ。」
寝る時もですか…、と伊丹は呆れながらも幻洛と寝床を共にすることを許可した。
実際のところ、伊丹自身も一人で夜を過ごすことに、少しばかり寂しさを感じていたのだ。
「ほら、来い。」
「僕の布団なんですけれど。」
掛け布団を広げ、まるで自分の布団のように招く幻洛。
やれやれ…、と思いながらも伊丹は素直にそこへ入り込んだ。
「…幻洛さん、髪、解かないんですか?」
寝る間際まで、髪を結ったままの幻洛に、何気となく伊丹は問いかけた。
幻洛が髪を下ろした姿は、彼が風呂上がりの際に自分が居間にいるとき等、稀にしか見ることがなかった。
「伊丹にかかって邪魔になるだろ。」
そう気遣い、幻洛はあえて結ったままにしていたのだ。
「…髪、下ろした姿が見たいです…。だめですか…?」
「!」
夜のせいなのか、はたまた幻洛がいる安心からか、伊丹の思考は少しばかり欲に忠実だった。
そんなこと言われて、駄目なわけがないだろう。
幻洛は伊丹の純粋なおねだりに口元を緩ませながら、赤い留め具を外した。
質量の多い紺桔梗色の髪が、重力に従い靡く。
降り掛かる前髪を鬱陶しそうに、幻洛は髪を掻き上げる。
「…。」
その色っぽい仕草に、伊丹は思わず見惚れてしまった。
ニヤリと、幻洛の視線が伊丹に向けられる。
「どうだ?益々惚れたか?」
「…否定できなくて後悔しています。」
なんだそれは、と幻洛はフッと笑った。
…本当に、言うんじゃなかった…。
伊丹は布団に潜りながら、その顔を伏せてしまった。
ドキドキと鳴る心臓が一層うるさく思えた。
そんな伊丹を見抜いてか、幻洛はニヤつきながら布団に潜り込んできた。
「ん…、狭くないですか…?」
「俺は平気だ。…むしろ、もっと寄り添いたいくらいだな…。」
耳元で、幻洛は一層低い声で伊丹に囁いた。
伊丹の身体が緊張に強張る。
ただ一緒に寝るだけなのに、どうしてこんなに変な気持ちで、胸が高鳴っているのだろう。
「…!」
幻洛の太く逞しい腕に、伊丹の身体は抱き寄せられる。
伊丹は幻洛の体温を、浴衣越しに感じていた。
…幻洛さん、いい香り…。
ハッとし、伊丹は顔を布団に埋めた。
今、とんでもなく破廉恥なことを思ってしまったなど。
咄嗟に、今思っていたことを忘れようとする伊丹。
それでも、幻洛の体温、香りに、全てが支配されていた。
フッと、幻洛が笑う息が伊丹にかかる。
「おやすみ、伊丹。」
幻洛の優しく低い声が、心地よく伊丹の鼓膜を振動させた。
「おやすみなさい、幻洛さん…。」
伊丹はそのまま瞼を閉じた。
…何故だろう、今日はよく眠れそうな気がする。
毎晩、目をつむると訪れる、あの不安な気持ちが一切押し寄せて来ない。
これも、幻洛さんが…関係、している…の、かな…
そう思いながら、伊丹はうつらうつらと、眠りの世界へ入り込もうとしていた。
「…。」
自分の腕の中で夢心地になっている伊丹を、幻洛は幸せそうな顔で眺めていた。
…ああ、伊丹、綺麗だな…。
それに、とてもいい匂いがする。
もっと伊丹の色々な表情が見てみたい。
…いや、駄目だ…、まだ、そういうことはする時ではないと思ったばかりだろ…。
幻洛は己の欲に葛藤しながらも、なんとか眠りにつこうとしていた。
「ん…?」
幻洛は伊丹を抱き寄せる手に、ふわふわと柔らかな感触に眠気を遮られる。
コレは…、一体何だろうか…?
むにっ
「んやっ…!」
腕の中の愛しい者が、突然びくりと身体を震わせ、声を上げた。
その声は今まで聞いたことのない程高く、性的に感じる声だった。
幻洛は一瞬で目が覚めた。
「なっ、何するんですか…!!」
「…ああ、すまない。…尻尾、だったのか…。」
伊丹は妖狐だ。
故に、その尻尾がどんな感覚を拾ったのかは…、大凡予想がつく。
「…お前、そんなやらしい声が出るんだな…。」
「っ…!何を言ってるんですか!次触ったら…、お、怒りますから!」
追い出しはしないんだな…。
と、幻洛はニヤつく顔をなんとか堪えながら伊丹に詫びた。
伊丹は頰を赤らめ、むくれながら幻洛に背を向けて顔にまで布団を被ってしまった。
幻洛は相変わらず愛おしそうな顔で、背を向ける伊丹の身体に腕を回し、その敏感な尻尾に気をつけながら自身の身体を寄せた。
ああ、幸せだ。
こんな夜が、いつまでも続いてほしいものだ。
幻洛はそう思いながら、自身も目を瞑り眠りにつく。
その誘われる愛しい者の姿、声、香りに、滾る雄の欲を抑えながら。